ヴォイニッチ手稿、ヴォイニッチ写本、Voynichi Manuscript、この謎の言語・書物のあらゆる情報をここに集めます。

ヴォイニッチ手稿の間

Voynich Manuscript Book

ヴォイニッチ手稿 基本情報

ヴォイニッチ手稿とは?その基本情報

更新日:

ヴォイニッチ手稿(ヴォイニッチ写本)について、基本情報、既知の情報を掲載します。
この謎の書物、奇書とも呼ばれる ヴォイニッチ手稿、知らなかった人には新鮮な情報として、知っている人は 再確認という感じでご覧いただければ幸いです。

ヴォイニッチ手稿とは

ヴォイニッチ手稿
( ヴォイニッチしゅこう、ヴォイニッチ写本、ヴォイニック写本とも、英語: Voynich Manuscript)とは、1912年にイタリアで発見された古文書(写本)。
未解読の文字が記され、多数の奇妙な絵が描かれていることが特徴である。
~ ヴォイニッチ手稿 - Wikipedia ~

英語では Voynich Manuscript と表記し、直訳では ヴォイニッチ原稿 となります。
便宜上、文中などでは Voynich MS 、VMS と略されます。
英語のページなどを自動翻訳すると 『ヴォイニッヒ原稿』となる事が多いです。

Voynich の正しい発音・読み方

『 Voynich 』の正しい発音を、音声で聴けるようにしました。
これは英語ではなく、ポーランド人の姓(苗字)にあたります。
日本語表記では 『ヴォイニッチ』と書きますが、これは英語の発音をカタカナにした言い方です。
『 Voynich 』のポーランド発音、英語発音、両方の発音を聞いてみて下さい。

  Voynich ポーランド語の発音

「ヴォイニヒ」という表記もよく見ますが、実際は「ヴォイニフ」が近い気がします。

  Voynich 英語の発音

英語の方はやはり「ヴォイニッチ」ですね。

元々の発音は 「ヴォイニフ」の方が近い事が分かりました。
ちょっとスッキリした(自己満足)。
後にヴォイニッチさんは、アメリカに帰化して ポーランド系アメリカ人となり、結局 ヴォイニッチさんと呼ばれていたみたいです。

ヴォイニッチ手稿の主な特徴

Voynich Manuscript Book

  1. およそ西暦1420年前後頃に作られた羊皮紙に書かれている(直近の測定)
  2. 大きさは 23.5cm×16.2cm×5cm
  3. 文字は未知の言語で書かれていて、同言語で書かれた資料は他には確認されていない、1冊のみの本である
  4. 著者も本のタイトルも分からない(解読されれば分かるかも?)。
  5. 左から右読み
  6. 現存する分で約240ページ
  7. 上質(最高品質)な羊皮紙(ベラム)に書かれている
  8. 『手稿』『Manuscript=原稿』という表現の通り 手書きの本である
  9. 殆どのページにカラーのイラストが描かれている
  10. イラストは主に 植物が多く、天体図と思わしき図、女性 などが描かれている
  11. 大多数を占める植物のイラストは 植物とは分かるものの、部分的に奇妙な形をしていて現存していない植物と思われる
  12. 当時としては高度な天体の知識、顕微鏡で植物の断面図か細胞組織(?)を見たような図などが描かれていると思われる事から『オーパーツ』とも言われている
  13. 筆跡鑑定では2人以上の人物が文字を書いたとされている
  14. 統計的解析上では言語パターンを有しているとされている
  15. 文字が解読されていないためイラストみので判断されたいくつかのカテゴリに分けられている
    『植物・ハーブセクション f. 1r~66v』
    『天文学・占星学セクション f. 67r~73v』
    『生物学セクション f. 75r~84v)』
    『宇宙論セクション f.85r~86v』
    『薬学セクション f.87r~102v』
    『レシピ&キー f.103r~116v』

ヴォイニッチ手稿の発見

Wilfrid Voynich ウィルフレッド・ヴォイニッチ

この謎の書物は、1912年に ウィルフリッド・ヴォイニッチWilfrid Michael Voynich:1865~1930)というポーランド出身の革命家で古書収集家でもある男性がイタリアで発見し、それまで無かったこの本の呼称として ヴォイニッチさんにちなんで『ヴォイニッチ手稿 VOYNICH MANUSCRIPT』と呼ばれるようになりました。
ヴォイニッチさん以前に 所有者が居た事は分かっているのですが、200年以上も埋もれていたこの未解読の書物をヴォイニッチさんが見つけた事で いかに『謎に満ちた書物』であるか世に知られる事になりました。

ヴォイニッチ手稿を入手した人達

ルドルフ2世

※人物名のリンクは Wikipediaの該当ページへ繋がっています。
カタカナは日本語ページへ、アルファベットは英語ページへジャンプします。
現代の人の場合は公式サイトへリンクしている部分もあります。

1404年~1438年に作られた羊皮紙に書かれているため、『ヴォイニッチ手稿』に これ以前の歴史は無い。

14XX年~15XX年、誰かによって何処かで『ヴォイニッチ手稿』が作られた。

時期不明・持主不明・著者不明・場所不明
(ルドルフ2世の前の持ち主が ジョン・ディー という説も)

ルドルフ2世Rudolf II:1552~1612)に600ドゥカート(ヨーロッパの通貨)で購入された。

ルドルフ2世からその医師 ヤコブス・シナピスJacobus Sinapius:1575~1622)に渡される。

プラハ出身の錬金術師 ゲオルグ・バレシュ (Georg Baresch:1585~1662) 。
(ハッキリと分かっている最初の所有者とされる)

1639年、ゲオルグ・バレシュ が アタナシウス・キルヒャーに送った手紙が 最古の ヴォイニッチ手稿についての資料となる。

1662年、バレシュの死後、友人で、医師・科学者・聖職者である ヤン・マレク・マルチ (Jan Marek Marci:1595~1667) の手に渡る。

1665年~1666年、ヤン・マレク・マルチは長年の友人である アタナシウス・キルヒャーAthanasius Kircher:1601~1680)にヴォイニッチ手稿を送った。
キルヒャーは、学者、イエズス会司祭、東洋研究、地質学、医学など幅広い分野で優れた業績を残し、ヒエログリフの科学的研究と読解に取り組んだパイオニアとしても有名だった。

以後200年の間は記録が存在しないが、1680年のキルヒャーの死後、その他の文書と共にローマのコレッジョ・ロマーノの図書館(現グレゴリアン大学)の所蔵になったと思われる。

イエズス会の指導者で大学の学長を務めていたピーター・ヤン・ベッククスPeter Jan Beckx:1795~1887)の蔵書となる。

ローマからイタリア フラスカーティのモンドラゴーネ寺院Villa Mondragone:1573~)に移される。

1912年、ウィルフリッド・ヴォイニッチWilfrid Michael Voynich:1865~1930)が モンドラゴーネ寺院から買い取った複数の書物の中に ヴォイニッチ手稿があった。

1930年、ウィルフリッド・ヴォイニッチの死後、彼の奥さん エセル・ヴォイニッチEthel Lilian Voynich:1864~1960)と ウィルフリッド・ヴォイニッチの長年の秘書 アン・M・ニル(Anne M Nill)が2人で所有。

1960年、にエセル・ヴォイニッチが死亡した後、アン・M・ニル は唯一の所有者となる。

1961年、アン・M・ニルはブックディーラーであるハンス・ピーター・クラウスHans Peter Kraus:1907~1988)に $24,500で売却。
7年後に$160,000で売ろうとしたが買い手が見つからず。

1969年、ハンス・ピーター・クラウスは イェール大学のバイネキ稀覯本・手稿図書館 にヴォイニッチ手稿を寄贈。
『MS 408』として収蔵し、現在に至る。

ヴォイニッチ手稿の著者

writing Voynic Manuscript

前述しましたが、著者についても、今なお内容と共に謎です。
説としては

上記2人が、著者説として挙げられているようです。
一部では、『ウィルフレッド・ヴォイニッチ自身が作ってでっち上げた説』が挙がってます。
古書収集家であり古書販売もしていたため、「その知識や技術があっただろう」という根拠で。

ロジャー・ベーコンは、ヴォイニッチ手稿の羊皮紙の年代特定から200年以上も前に亡くなっているので、なぜロジャー・ベーコンが著者説として挙がっているのか?不思議だったのですが、ウィルフレッド・ヴォイニッチ自身が「ロジャー・ベーコン が著者ではないか?」という仮説で、彼は ロジャー・ベーコンジョン・ディールドルフ2世 という経路を仮定していたらしい(Wikipedia:英語より)。

ヴォイニッチ手稿の最後のページに、3行(4行?)のみのテキストが書かれているのですが、そのページのみ『キー』ページとされていて、「アナグラムで『ロジャー・ベーコン』と書かれていると言われている」と ドイツ語のWikipedia にありましたが…その根拠となる情報はまだ見ていません。

他の説として 狂人説、錬金術がもてはやされた時代背景の中で金儲けのため『錬金術の書』とでっち上げた詐欺師説(エドワード・ケリーがその疑いを持たれている)、アート作品説、そもそも意味が無い文字の羅列で解読不能説、最近では 異世界言語説、宇宙人の仕業説 等々…、ありとあらゆる説があります。
ヴォイニッチ手稿の諸説については 以下の記事をご覧ください

ヴォイニッチ手稿の解読への試み

ヴォイニッチ手稿 解読への試み

1945年:ウィリアム・フリードマンWilliam Frederick Friedman:1891~1969)暗号の天才が挑戦したが、解読に至らず。
暗号ではなく人工言語の類ではないかとの見解。

1987年:レオ・レヴィトフ( Leo Levitov:)は著書の中で解読した内容を発表した後、内容の誤りを指摘された。

2014年:スティーブン・バックス(Stephen Bax)というベッドフォードシャー大学の言語学者が一部解読に成功したと論文で発表。

2016年:ロシアの研究グループから解読成功のニュース
既知の複数の言語からなっていて、母音を削除して解読するという方法。
また、一部しか解読していない様子(?)

2017年9月:イギリスのテレビ作家のニコラス・ギブズ(Nicholas Gibbs)は、ヴォイニッチ手稿が婦人の健康に関する医学書であるとする説を発表した
こちらも、既知の複数の言語からなっていると主張し、女性の健康に関する書物であると主張していますが、大多数を占める植物のページの解読は…?
この解読については異論が多く 結局はほとんど認められずに終わったようです。

英語 のWikipedia の方では、更に解読に携わった人々のリストが詳しく載っていました

ニコラス・ギブス氏の解読について

スティーブン・バックス教授の論文について

Stephan Bax 教授の論文
ヴォイニッチ手稿の特定された10の単語とその論文、Stephen Bax 教授について

Stephen Bax 教授は、2014年に 「ヴォイニッチ手稿の解読に一部成 ...

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まとめ

ヴォイニッチ手稿は・・・
未知の言語、未知の文字で構成されていて。
100年以上に渡り、言語学者や暗号解読のプロ、多数の研究者(プロ・アマ含む)が解読に挑むも今現在未解読。
(「解読した」と主張する人・グループは出現するが…)
著者も 初期の持ち主も不明。
多数の絵や図も 奇妙な部分が多く ヴィジュアル面でも謎のまま。
(植物だとは分かるが 植物にはあり得ないような部分が描かれていたり、形が奇妙なモノが多い。
女性の絵は 女性と分かるが 何をしている図なのかが分からない等)
「解っている事」を挙げているつもりが、ますます
「解かっていない事リスト」になっている不思議。
「ヴォイニッチ手稿の事を分かっていただけましたでしょうか?」
というよりも、
「ヴォイニッチ手稿がいかに謎の書物かを知っていただいた」
に過ぎないですね・・・。
つまり、まだまだ謎だらけ の『ヴォイニッチ手稿』なのです。

管理人のヴォイニッチ手稿への認識

自分が最初にヴォイニッチ手稿の事を知った時にミステリーを感じた理由は…、
「まだ解読されていない」という言語や文字は意外と沢山ありますが、それらは大体

  • 複数の資料がある
  • 言語とは別の特定の目的で使われる記号の集合
  • 地理的に隔離された位置条件で発展した文化
  • 記録が途絶えている時代の石板や壁画の類
  • 現代の意図的な暗号

という印象を持っていたためでした。

その点、ヴォイニッチ手稿は上記の条件に当てはまらず、素材となっている羊皮紙(ベラム)やインク、ペン という、本来 現代人が他者と意思疎通を図るために使う道具が使われていながら 誰もその言語を読む事はおろか、その言語の資料や歴史、痕跡さえも一切見つからないというのが ものすごく心に引っかかりました。
それ故に『いたずら説』『詐欺師説』が多い事は ある意味頷けるのですが。

つい最近も「ついに解読された!?」というニュースがネットに流れましたが、ほとんどの人は腑に落ちない内容だったのではないでしょうか。
判明したならスッキリするはずが、…ロマンを感じたい…ただそれだけじゃない 『モヤっと感』は何なんでしょうか…。
「母音を削除して読む」というのも、そもそもどの文字を母音とするのか?という時点で独自の解釈が入っている気がしますし。
結局先日の「解読された」というニュースも、上記の理由で自分の中ではほとんどスルーでした。

この手のミステリーは、よく「判明した!」「既に解明されてる」という情報が流れますが、内容を見てみると、あれ?根拠が…あいまい…?というものも多いですね。
おそらく、「何が謎たる所以なのか?」を知っている人ほど 違和感を感じるのではないかと思うのです。
「もうそれは判明しているよ」と言う人は その根拠を挙げない(何が謎なのかも どうやって謎解きされたのかも知らない)事が多いように見えます。

文句ばかり言いながら 自分の脳は解読するような処理能力を持ってなくて他力本願なのが情けないですが…モヤッとするんだから仕方がない。
キリが無いのかも知れない。
イヤ、きっとキリがない。
それでも情報を追いたくなる。
そんな想いの管理人でした。

 

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