ヴォイニッチ手稿について、分かりやすい動画(アニメーション)を見つけたのでご紹介(制作:TED Ed)。
4分半で とても見やすい長さです。
3分で分かるヴォイニッチ手稿の動画がアップされてたよ(制作:The Tatt)はこちら
英語の動画ですが、字幕の言語を変更できます。
TED の動画は、自動翻訳ではなく ちゃんとした翻訳なので見やすいですよ
簡易ツールチップ: YOUTUBEの字幕変更TED
詳しくは字幕の変更方法の記事を見て下さい。
The world’s most mysterious book - Stephen Bax
タイトル『 The world’s most mysterious book - Stephen Bax 』
配信元:TED Ed
YOUTUBE:https://www.youtube.com/watch?v=8NS4CbBJQ84
日本語字幕の内容
『 世界で最も神秘的な本 』
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翻訳: Hiroko Ishikawa 校正: Yuko Yoshidaイェール大学の バイネキー稀少本・原稿図書館の奥深くに 240ページからなる ただ1冊しかない本が収蔵されています。
最近 放射性炭素年代測定で 1420年代のものと判明した 羊皮紙でできた本には 手書きの丸文字のようなものや 夢をそのまま描いたような 手描きのイラストがあります。
現実と空想の植物、浮遊する城、入浴する女性達、占星術チャート、星座の指輪、
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顔のある太陽と月が 文章とともに描かれています。この24 X 16センチの本は 「ヴォイニッチ手稿」と呼ばれており、これは 歴史上最大の 未解決ミステリーの1つです。
その理由は、誰も内容を解読できないからです。
本の名前は ウィルフリッド・ヴォイニッチ氏に由来します。
ポーランド人で書籍商の彼が この本を あるイエズス会の大学で見つけたのです。
1912年 イタリアでの事です。
彼は当惑しました。
「誰が書いたのか?」
「何処で作られたのか?」
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「この変な文字は何語で ゾクゾクする様な絵は何を意味しているのか?」「どんな秘密が隠されているのか?」
彼は 大学で資金難にあえぐ司祭から この本を買い受け 最終的にアメリカに持ち込みました。
アメリカの専門家達は 1世紀以上もの間 思案し続けました。
暗号学者は この文書は 実存する言語の全ての特徴を有しており、ただ誰も見た事が無い言語だと言うのです。
なぜ実存の言語に見えるかというと、実際の言語では同じ文字の並びが 一定の頻度で出てきますが、ヴォイニッチ手稿の言語でも
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無作為に並べたとは思えないような パターンがあるのです。それ以外では 見える以上のことは ほぼ分かりません。
文字はスタイルや高さに違いがあり、他の言語から借りてきている文字もありますが 多くは独自のものです。
背の高い文字は「絞首台文字」と 名付けられています。
手稿は全体を通して 渦巻き状の美しい装飾で飾り付けられています。
2人か それ以上の人によって 書かれているようで、絵は別のグループによるものです。
長年を経て 手稿の文章について 3つの説が出てきました。
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1番目は 暗号で書かれている という説で、秘密を隠すために あえて考えられた 秘密の暗号というわけです。2番目は虚偽の文書で、騙しやすい買手から金儲けをするために デタラメに書かれたという説です。
著者は中世のぺてん師と推測する者もいれば、ヴォイニッチ自身が書いたと言う者もいます。
3番目の説は 本文は 実存する言語であるが、誰も知らない文字で書かれている というものです。
中世の学者達は 新しいアルファベットを創って
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無文字言語に使おうと していたのかもしれません。その場合 ヴォイニッチ手稿は ロンゴロンゴ文字の様な物かもしれません。
それはイースター島で使われていて、その文化が崩壊した今となっては 読解不能の文字です。
ヴォイニッチ手稿は 誰も読むことはできないにもかかわらず 何が書かれているのか 人は探求せずにはいられません。
この手稿は 新しい文字言語を 作ろうと試みたものだと信じている人達は、手稿を作った文化の知識がつまった百科事典なのかもしれない と考えています。
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13世紀の哲学者ロジャー・ベーコンによって 書かれたと信じる人もいます。彼は文法の普遍的法則を 研究していました。
あるいは16世紀エリザベス朝の 神秘家ジョン・ディーの作という人もいます。
錬金術と占いをしていた人物です。
非主流派の説としては イタリアの 魔女達のグループによって書かれたとか、火星人が書いたと言う人さえいます。
100年の試行錯誤の後、科学者達は 最近 このミステリーに 微かな手がかりを得ました。
最初の発見は さきほどの放射性炭素年代測定です。
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そしてまた現代歴史家達は この本の来歴を追跡しました。ローマやプラハを通り 1612年にまで遡っています。
当時 その手稿は 神聖ローマ皇帝ルドルフ2世から 彼の医師であるヤコブス・シナピスに 渡ったとされます。
これらの歴史的発見に加えて 言語研究者達は最近 手稿に書かれた単語のいくつかを 仮に特定したと言っています。
7つの星の横に書かれた文字は 「Tauran」で、牡牛座(Taurus)の名前 すなわち、その7つの星からなるプレアデス星団を 指すのではというのです。
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この言葉は「Centaurun」で 絵の中の植物 セント―レア(Centarea)でしょうか?もしかしたら… でも 進展はゆっくりです。
もし暗号を解明できたら 何を発見できるでしょうか?
15世紀のイラストレーターの夢日記?
全くのたわごと?
忘れられた文明の失われた叡智?
あなたは何だと思いますか?
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うん。
TED の動画は翻訳家がちゃんと翻訳した文章で助かります。
まとめ
この動画は TED Ed 制作で、
脚本は Stephen Bax さんだそうです。
ヴォイニッチ手稿には書き手が2人以上居た、というのはどこかで見た事があるんですが、イラストは更に別の人(グループ)が描いたというのは、この動画で知りました。
TED Ed
TED は、何らかの功績を挙げている人や知識の高い人のプレゼンを企画・撮影し、動画でアップしている非営利組織です。
その中の 『TED Ed』という部門は、教育する立場・教員と若者を繋ぐという事をミッションにしているそうです。
この動画で言えば、『ヴォイニッチ手稿が未解読の謎の古書』だという事を伝え、未来ある若者の探求心・向上心を育てる、そんな意味合いでしょうか。
こんなワクワクする組織が もっと普通に沢山ある世の中になればなーと思う管理人です。
Stephen Bax
Stephen Bax さんは、2014年に 「ヴォイニッチ手稿の解読に一部成功した」と論文を発表した人です。
カタカナで 『ステファン・バックス』と書かれている事が多いですが、
正しくは 『スティーヴン・バックス』だそうです。
Stephen Bax [ stíːv(ə)n bǽks ]
インターネット時代になってからの「ヴォイニッチ手稿の解読成功ニュース」の中で最初のニュースだったのではないでしょうか。
(ちゃんと調べた訳じゃないので他に知っている人がいたら教えてください<(_ _)>)
Stephen Bax さんによる解読時の論文案内ページ(英語):
Voynich: the evidence
Stephen Bax さん自身による論文の内容を語る動画(英語):
Voynich - a provisional, partial decoding of the Voynich script
当時のニュース記事
- Live Science:10 Words in Mysterious Voynich Manuscript Decoded
- BBC News:Breakthrough over 600-year-old mystery manuscript
- Yale Alumni Magazine:The Voynich mystery
ただ、紙面では 具体的な解読内容はほとんど書いていませんね。