ヴォイニッチ手稿、ヴォイニッチ写本、Voynichi Manuscript、この謎の言語・書物のあらゆる情報をここに集めます。

ヴォイニッチ手稿の間

ヴォイニッチ・言語って ラテン語なの?

ヴォイニッチ手稿 基本情報 評論家の声・見解

五郎さんも言ってた。「ヴォイニッチ手稿の解読に成功」はどうも違うってさ。

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先日の 『ヴォイニッチ手稿の解読に成功!』のニュース、記憶に新しいですが、自分の心にかなりモヤモヤが残るニュースで…やっぱり、世界中の人がモヤモヤしてたんだ?!という、スッキリする(あれ?)動画を見つけました。

このニュースが、デマ? ウソ?とモヤモヤしていたソコのあなたも、以下の動画を再生してみてくださいねっ。

TBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ!」
というラジオ番組の中の
『山田五郎さんのコラムコーナー』
2017年09月14日 放送の内容
https://www.tbsradio.jp/182286

山田五郎さんが、先日(2017年09月)イギリスのテレビ局の人が
ヴォイニッチ手稿の解読に成功した
Voynich manuscript: the solution|NICHOLAS GIBBS
という発表をした事に触れ、またそれに対する周囲の反響(批判?)について語っていたそうです。

話の前半は 『ヴォイニッチ手稿とは?』という所から、端的にお話しされていて分かりやすいです。

『ヴォイニッチ手稿」解読のニュースは間違いだった!』

以下、文字起こしをしてみました。
全て 山田五郎さんの発言です。

「ヴォイニッチ手稿解読」のニュースは間違いだった!

まずは今回の話の前振り

今月(2017年)9月5日ですよ。
イギリスの有名な 『times(New York Times)』ってありますよね。
文芸別冊って言うのかな?
『タイムズ・リテラリー・サプルメント(Times Literary Supplement)』っていうのがあるんですけど、そこに 『ヴォイニッチ手稿 解読!』って記事が出たんですよ。

権威のある媒体ですから、これは大変なことになったと…。
日本であまり報じられなかったんですけども、
「500年近く 誰も解読できなかった謎の文書の内容がついに明らかになった!」
って、騒然。。。

ここで ヴォイニッチ手稿とは? の話から

まずはですね、この『ヴォイニッチ手稿』とは何か? という事からお話していきたいと思います。

今から105年前の1912年、ロンドンで古本屋さんを営んでいた亡命ポーランド人の、『ウィルフリッド・ヴォイニッチ』と言う人(が居て)、この人がイタリアで発見した、約240ページの 『絵入り本』なんですね。

ココにちょっと写真用意しました。
こんな感じの絵が描いてあって 文章が書いてあるんですよ。

これ、印刷技術が出来る前の手書きのやつですから、『Manuscript』=『手稿』とか『写本』とか訳されるんです。

見つけたヴォイニッチの名前をとって 『ヴォイニッチ手稿』或いは『ヴォイニッチ写本』と呼ばれている訳です。

でまぁこの中世の絵入りの写本とかって 他にも沢山あるんですけども、この『ヴォイニッチ手稿』が 世紀の大発見と言われのには2つの理由があるんです。

一つは、この240ページいっぱい文字書いてありますよね?
これが一体どこの国の言葉か分からない…。

謎の言葉と文字で書かれているんですよ。
見た事もない文字なんです。
まずそれが1点目、「何の事だか(内容が)分からない」。

2番目は、(内容が分からない)にも関わらず、ヨーロッパの魔術とか錬金術の歴史を語るときに欠かせないビッグネームって居る訳ですが、それが何人もこの『手稿』に関わっているんですよ。

ヴォイニッチがこの『手稿』を発見した時に、(本の)カバーの中に1通の手紙が入っていたんです。

それは1665年にプラハ大学の教授の『ヤン・マレク・マルチ』っていう人が…これ実在の人ね、ローマのローマ学院…現代のグレゴリアン大学なんですけども、そこに居た万能の天才、『アタナシウス・キルヒャー』っていう人が居るんですけども、その人に
「この手稿を解読して下さい」
依頼している手紙なんですよ。
さらにそこには、

この『手稿』は かつてプラハの『ルドフル2世』が 600ドゥカートで買った物です。
かの『ロジャー・ベーコン』が書いた物だと信じられています。

と書かれている訳です。
ここに出てくる人も全員ビッグネームなんです。

まずこの『ロジャー・ベーコン』は、世界史の教科書にも出てくるから知ってる人は知ってるんですよ。

13世紀イギリスの哲学者 オックスフォード大学の教授でもあったんですけども、この人は中世ヨーロッパを代表する知の巨人で万能の天才。
錬金術にも詳しかった。

その『ロジャー・ベーコン』の知られざる著作が出てきたとなれば、それだけで大発見なんですよ。

で、それからこの『手稿』を高いお金をはらって買ったと言われる『ルドルフ2世』、この人はですね、今 上野の 国立西洋美術館で展覧会やっている変な画家『アルチンボルド』っているでしょ?、あの人の雇い主。
あと、『ブリューゲル』の収集家。
ウィーンの美術史美術館に『ブリューゲル』(の作品)がいっぱいあるのは、この人(ルドルフ2世)のお陰。

ハプスブルク家きっての『不思議大好き皇帝』なんですよ この人。

世界中の変わった生き物とか 変なもの集めていて、これがウィーンの自然史博物館になってる。

さらに世界中から学者を集めてたんですよ。
中には、惑星の法則で有名な『ケプラー』とかも居た訳なんですけども、このルドフル2世の宮廷に来た人の中にイギリス最大の魔術師と呼ばれる『ジョン・ディー』って言う人がいたんですよ。

この『ジョン・ディー』って人は『エドワード・ケリー』って言う霊媒師と組んで、「天使の言葉を聞く」という。

天使が『エドワード・ケリー』に降りてきてお話しするのを『ジョン・ディー』が聞いたと。

その時、天使がね、『エノク語』という言葉を話してたって言うわけ。
その『エノク語』っていうのを解説した本も書いてるんですよ。

だから『ヴォイニッチ手稿』は、『ロジャー・ベーコン』の著作がね、イギリス人の『ジョン・ディー』がプラハに持ち込んで、もしかしたら『ジョン・ディー』が言う「天使の言葉=エノク語で書かれてるんじゃないか?」みたいな説もあったりして、話題になった訳なんですよ。

まあ、そんなこんなでね、すごい話題を呼んだんですけども、な~にしろ得体が知れない上に、『アルフリッド・ヴォイニッチ』がすごい高い値段をつけたために買い手が中々つかなくて、ヴォイニッチはこれを持ってアメリカに行くんですよ。
そのままアメリカに移住しちゃうんですけどもね。

で結局売れないまま、1930年に亡くなっちゃう…。

だけど、「10万ドル以下で売っちゃいけない」っていう遺言を残したために未亡人(ヴォイニッチ婦人)がずっとそれを抱えて30年間売れないでいたんですよ。

これで未亡人が1960年に亡くなった後にようやくニューヨークの古書店が2万4000ドルで買って、イエール大学に寄付した。

今もイエール大学のバインネック稀少本図書館っていう所にこれ(ヴォイニッチ手稿)があるんですよ。

これ、今日に至るまで 多くの学者やアマチュアがね、この解読に乗り出してい るんですけども、歴史的事実に関しては かなり明らかになっているんです。

まずこの『手稿』が『ルドルフ2世』が持っていて、その後ローマの『アタナシウス・キルヒャー』に送られて、そのままローマ学院にあったものを『アルフリッド・ヴォイニッチ』が発見したと。

ここまでは色んな他の文献からほぼ間違いのない事実だと、これも確かなもんだという事が明らかになった。

それから2009年にはアリゾナ大学のチームが、これが書かれている羊皮紙=羊の皮の紙ですね、これの炭素同位体元素の測定を行なって95%以上の確率で1404年から1438年の間に作られたという事が確定したんです。

でその結果、あの『ロジャー・ベーコン』は(羊皮紙が作られた年より)100年も以上も前に死んでますから、「これは『ロジャー・ベーコン』の著作じゃない」と。

で、魔術師『ジョン・ディー』は、(羊皮紙が作られた年より)100年以上も後に生まれているから、「『ジョン・ディー』関係でもない」と。

という事で、今は15世紀の前半に北イタリアで作られたもんじゃないかという事がほぼ確定しているんですよ。

色々そういう物理的な事実が明らかになってきたんですけども、問題は「この言葉が分からない」。

これ、色んな人が(解読に)取り組んでて、有名な ところではイギリスの暗号解読の天才と言われたあの 戦時中日本軍の暗号を全部解読しちゃった『ウイリアム・フリードマン』って人、あの人が取り組んだんだけど無理だったんですよ。

で『ウィリアム・フリードマン』は、
「これは暗号じゃねー。なんか人工言語とか誰かが作った言語じゃないか?」
というような事を言ったりしていたんです。

その他もう世界中の人が研究してるんで、『クレオール語』だとか『セブ語』だとか『アジアの言葉』だとかね?
「いや頭のおかしい人が作った人工言語だ」とか「全くのでたらめ」だとか、もう考えられる限りの説が出てるんです。

ここから本題 解読成功のニュースについて

ところが!
今月の(2017年)9月5日ですよ。

イギリスの 放送作家で歴史こうしょう家(?)の『ニコラス・ギブス』っていう人が、「ついに解読に成功した!」と、発表したわけです。

で、この人の説によると、そこに書かれているのはそんな変な言葉ではなくて、「単なるラテン語だ」と。

ただそれを、「普通の独特の短縮系を使った字で書いてるんだ」と。

これ、「一文字に見えるようなのが、実はいろんなものの組み合わせだったりして、一語だったりするんだ」と

例えば『東京』を『TKY』って略したりするでしょう?
『&』っていう言葉は『E』と『T』をくっつけて『&』にしてるでしょう?
だから(そんな感じで)「『TKY』を一文字にしちゃった」みたいな、そういうヤツだって言うわけ。

だから、そう読み解いていくと、普通のラテン語でね、特にこの女性関係の医学とか健康法について書かれているような本で、「別にそんな錬金術だとか、魔術だとかユダヤの陰謀だとかが書かかれているもんじゃない」と、いう記事を出したんですよ。

んで騒然となったんですけども、あっ!という間に全世界中から大反論。。。

このイラストがね、中世の他の医学書とか健康書に載っているのと同じだっていうような話はね、とっくのとんまにみんな言っていると。

で内容もだいたいの医学・健康書の類だろうという事はもう何年も前からみんな言っていると。

さらにその『ニコラス・ギブス』さんがいる言っている、その解読法で解読してみて文章が出てきたんだけど、それが「ラテン語として全然意味を成しとらんぞ」と。

それをギブスさんは勝手に想像して内容を言っちゃってるんじゃないか?と。

それを、アメリカの中世文化研究所のラテン語の権威の女性がいらっしゃるんですけども、その人がもう決定的なダメ出しをしちゃって。
『タイムズ・リテラリー・サプルメント(Times Literary Supplement)』ともあろう者が、「どうしてこんなモノを載せたんだ?」っていう騒ぎになって。

だから、「解読は全然 成功してないよ」って話になっちゃったんです。

だから世界中の研究者の皆さんが安心してほしいんですよ。
まだまだ(研究する)お楽しみが(笑)

まぁ、どのみち内容は大したことは書いていないだろうけれども、この文字を解読する楽しみというのは、また残されているので(笑)

日本でも結構たくさん いらっしゃるんですよ?
この研究に一生を捧げちゃった方とか。
引き続き、研究していただきたいなという風に思いますね。

─── 五郎さんのボイスでした ───

© TBS © 山田五郎

まとめ

嘘? デマ? ガセ? 解読できたって本当? って気にしている人がちょこちょこいらっしゃるようですが、やっぱり、「解読になってないやん」って事ですね。
「解読した」「解読法を解明した」と言っても、その根拠が どうも「それで解読できるか?」って感じなんですよ。
でも、ヴォイニッチ手稿どころか、英語も分からん自分が偉そうに突っ込めないので、突っ込んでくれる人を待ってました(ぇ)

日本では報道が無いし、あっても、『抜粋の抜粋』みたいな感じだし、「世界中でこのニュースに否定的な意見が相次いでいる」って書かれてあっても、それがどこに書かれてあるのか、日本語しか分からん自分には 情報が少なすぎるってば。
んで、偶然発見したこの動画。
非公式なので、削除されるかもですが、リアルタイムで聴けなかった自分には貴重な情報でした。
公式サイトではもう視聴できないとの事で、文字起こしもしてしまいました。
なんか、スッキリした。

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